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このホームページは、強度の弱視でありながらも、現在アメリカの大学院で博士課程の学生をしております井口が作りました。

アメリカにはかなりの数の日本人留学生がいます。しかしそのうちの多くは大学生(学部生)で、専攻はビジネスなどの文系に人気があるなどの理由から、日本人で理系の大学院生というのは、まだまだ数が少ないと思います。まして自分のように障害者となると、さらにその数は少なくなるでしょう。そういった意味から、自分にしか提供できないものがあるのではないかと思います。

今では書店に行けば留学に関する書籍が数多く並んでおり、サイエンスでアメリカの大学院に留学した体験談もお目にかかれます。これらは貴重な情報源であるのは確かですが、著者についての説明を見てみると、留学前に日本で優秀な大学を卒業していたり、大企業に就職していたりということが多々あります。こういう「エリート」たちの留学成功談を読んだり聞いたりして、「普通」の人はどう思うでしょう?こういった留学関係の本を読む人は留学に興味がある人、または真剣に留学を考えている人たちだと思います。エリートといわれる人たちが成功談を書いた場合、本人たちは読者に多い留学希望者の不安をなくし、勇気づけようとしているはずなのに、「普通」の読者は「あぁ、頭のいい人、優秀な人はやっぱり違うなぁ」と感じるかもしれません。中には「こんな優秀な人でもこんなに苦労するのであれば、自分には無理かも・・・」と思う方もいるかもしれません。

では、私はどうかというとプロフィールを見ていただければ分かりますが、留学前までごくごく普通の生活を送っておりました。優秀な大学で勉強したわけでもなく、お金持ちの家に生まれたわけでもなく、偉い人とのコネがあるわけでもなく、何もありませんでした。何もないどころか、普通の人が普通に持っている視力すら障害されていました。

ですから、私のような人間が成功談を書けば、「この人にこんなことが出来るのなら、私にもきっと・・・」と思っていただけると思います。この「私にもきっと」の後の「・・・」は、もちろん留学でもそれ以外の何でもかまいません。ここを訪れていただいた後に、勇気を持っていただく。まさしくそれがこのホームページの開設に至った動機です。人はみな、計り知れない可能性を持っているのに、残念ながらそれを眠らせたままにしておくことが多いように思われます。その可能性が眠ったままになってしまう理由の一つに、自分以外の人が、それを発見して、磨いてくれるというのが稀であるということが挙げられると思います。冷たく聞こえるかもしれませんが、周りの人たちは手を貸してはくれますが、それ以上のことはしてくれません。自分の可能性を、生かすも殺すも自分次第ということです。

と、ここまで生意気なことを書いておきながら、私自身、まだ自分の可能性に気づき始めたばかりです。自分にはこれまで以上の挑戦が待っています。ここでもし自分が博士号を取れずに途中で挫折するようなことがあれば、「成功談」にはらないので、自分のためにも、両親、友達、先生方、ここを訪れてくださった方々のためにもがんばります。そして一人でも多くの人が、自分の可能性に気づき、自分を磨き、光を放てるようになることを祈っています。

"You are motivating people around you. (あなたは周りの人にやる気を起こさせている)"
と、こちらの先生に言われたことがあります。今やこの「周囲」は物理的に私の近くである必要はありません。インターネットを通じて、この「周囲」が日本、世界に広がることを願います。

私は、このサイトを通じて現地から博士号取得までの過程を実況中継していくつもりです。よって最終更新時には、私の卒業式の写真を載せる予定です(2007〜2008年の予定)。ゆっくりですが、確実に進んでいます。どうか長い目で見ていただき、最後までお付き合いください。

2004年7月
井口正樹