歯列矯正

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はじめに

私は留学しながら、うちの大学の歯学部で歯の矯正をしています。そういうと、「ここで?」とほぼ必ず聞かれます。日本人留学生で矯正をしている人は珍しいと思いますし、矯正以外でも歯学部にはかなりお世話になったので、ここで報告いたします。

  • 矯正の動機
  • 経過記録(準備中)
    • 2003/10〜2004/06
    • 2004/06〜現在

矯正の動機

もちろん、はじめから留学先で矯正をしようと考えていたわけではない。きっかけは 2002 年にアイオワについてから一ヶ月ちょっとで襲われた歯痛だ。アイオワに来る前は、五ヶ月ほども日本に滞在していたにもかかわらず、全く痛くなかったのに、だ。

幸い、自分が日中ほとんどの時間をすごす研究室のすぐ近くに歯学部があるので、その痛い歯の治療のためにそこを訪れた。しかし最悪なことに、、虫歯はその痛い歯の一本だけでなく、他にも発見されてしまった。しかも合計五本も。 虫歯になった理由は、私が考えるに二つある。一つはフロスを怠っていたこと。歯磨きは良くしていて、実際に「良く磨いている」とも歯医者に言われたのだが、問題は歯と歯の間だ。今回見つかった虫歯はすべてそこだった。二つの目の理由は歯並びの悪さだ。これが半端じゃなく悪い。今回痛くなった場所は、一本の歯が他の二本の後方に生えていて、その三本の歯が三角形を作っていた場所だ。その三本の歯に囲まれて出来た三角形には、食事をするといつも食べ物のかすが詰まっていたので、うがい等をしてそのかすを取り除く必要があった。ここまで歯並びが悪いのは珍しいらしく、写真を撮られた。そして私を担当した歯医者は、他の歯医者が私たちの前を通りかかるたびに、「○○先生、こんなの見たことあります?」といって、私の口の中を指差した。私は間抜けに口を開けたまま、「どうにでもしてくれ」と思った。歯並びの悪かったのは、そこだけではない。下の前歯全体が通常より前に出ていたため、噛むと上の前歯より下の前歯のほうが前に来るのだ。Cross bite というらしい。

その後、まじめに歯学部に通い、見つかった五本の虫歯をすべて治してもらった。約一年かかってしまった。こうして常連の患者となってしまった私は、そのうち「アメリカで矯正はいったいいくらするのだろう?」ということが気になりだした。医療費が高くて有名なアメリカだ。歯の矯正も相当高いんだろうなぁと思いながら恐る恐る聞いてみると、これが思ったより安い。これにも理由が二つあると思う。一つは歯学部なので、学生に治療してもらうと治療費が安くすむのだ。学生といっても矯正の場合、一度歯学部を卒業して歯科医の資格を取った人が矯正の勉強を目的に歯学部に再入学した人を指す。しかも、治療のために訪れると、かならず一回はそこで矯正を教えている先生が見に来てくれ学生と話し合ってその日の治療方針を決めてくれるので、安心だ。もう一つの理由はアメリカでの矯正の普及率の高さだろう。日本と比較するとはるかにこちらのほうが歯の矯正は一般的だ。普通なにかが普及すればするほど、その値段は下がるものだ。本当に貧しい家庭をのぞいて、ほとんどの子供が矯正をすると聞く。こうなるともう気分は「やっちゃおうかなぁ」である。 この安い治療費もさらに助かることに月々の分割(月々94ドルの24回払い)だし、うちの研究室から歯学部は歩いて2、3分。ここでの生活は忙しいが、学部生のように授業をたくさん取っている忙しさではないので、予約も入れやすい。治療期間は2〜3年と聞いたので、博士課程に進学することが確定すれば、卒業前に矯正を終えることが出来る。歯並びの悪さはずっと気になっていて、いつかやってみたいとは思っていたのだが、実際のところ、年齢、歯医者への通院にかかる費用、時間などを考えるとそう簡単に出来るものではない。このような思いを抱いていたときの今回の出来事だ。こんな良い条件がそろうことは今後ありえないと思い、また今やらないと一生やらないとも思った。それに、留学を終え、自信を付けた私が内面だけでなく外見の歯並びまで良く出来るのだ。留学を終え新しい「井口正樹」となるのに、なんとふさわしいことか。自分に対するご褒美のような気もする。

こうして楽しい矯正生活が始まったのである。